2008-01-07

ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟

 リアルタイムでお送りしています。ただ今第二篇、ゾシマ長老が信心深い女たちに祝福を授けているところです。
 前々から思っていたのですが、ここに出てくる幼い息子を亡くした母親の姿はとてもリアルですよね。

わたくしはほんの一遍きりでも、あれが見とうござります。ほんの一遍あれが見たいのでござります。そばへ寄って声をかけいでもかまいませぬ。以前のように、あれがおもてで遊び疲れて帰って来て、あの可愛い声で、『母ちゃん、どこ?』と呼ぶところを、どこか隅の方に隠れておって、せめてちらりとでも見たり聞いたりしとうござります。
(ドストエフスキー著、米川正夫訳『カラマーゾフの兄弟』岩波文庫)

 子どもの名前はなかなか出てきません。最後にゾシマが名前は?と聞いて、初めてこの子の名がアレクセイであることが分かります。アレクセイとは、カラ兄弟の主役の名前であり、その他少なくない数の(いや少ないか)ドスト作の中で主役に冠せられる名前であり、ドスト氏が亡くした次男の名前でもあります。どちらのアレクセイも3つの時に亡くなりました。