2005-11-11

レイモンド・カーヴァー Carver’s Dozen

 ダズン、「村上の翻訳本は読まん!」と突っ張っていた私ですがとうとう読みました。 きっかけは『翻訳夜話』。その中でカーヴァーの「収集」を読んだことです。 この奇妙な話しはなんだ?そんな興味からです。 それとバースデイ・ストーリーズも先に読んだはず。 「風呂」はその後、救済の話しに発展していく、という記述を読んで、こりゃ読まなきゃなーと。
「小さな良きもの」「カテドラル」「サマー・スティルヘッド」「足もとに流れる深い川」「でぶ」「レモネード」が特に好きです。(もちろん収集も)

・小さな良きもの(なんか「ささやかだけど、役に立つこと」って訳があんまり好きではない)
 号泣しました。それが救いなのかどうかも、私にはよく分かりません。これだけの深い傷を負って、それでも生きていかなくてはいけないのなら、生きてる意味なんてない、そうも思います。けれど、どんなに深い喪失の後にも、暖かいパンがあって、それでしか人間は救われない。悲しいけれど、そうやって生きていくんだなと感じました。
 それと読了後に、偶然にも自分が大学を卒業するにあたって、知人からこんなことを言われました。「あなたは小さなことに喜びを見つけ出せる人だから、これから先もきっと大丈夫やで」 つまりは、長い人生を生き抜くには、小さな良きものたちをどれだけ見つけ出せるかにかかっている、あなたは大丈夫、と言われたのです。いやあ泣いたなあ。

・カテドラル(大聖堂)
 これも泣きましたね。押さえた調子で語られる、理解ということ。

・夏ニジマス
 これは逆に、こういう些細なことから人は傷ついていくんだなー、という話。そんな傷を持ちながら生きていくと言う話。

・足もとに流れる深い川
 えー、じゃあ結婚しても救われないんだ・・・と言う話。

・でぶ
 どちらかというと私もマイノリティーだから、こういう話が好きなんですよね。かなり胸に迫る話だった。