村上春樹編 バースデイ・ストーリーズ
たぶんこちらが初めての村上翻訳本です。どういうきっかけで買ったのか、覚えてません。しかしかなり面白く読めました。
「ダンダン」「ティモシーの誕生日」「皮膚のない皇帝」「慈悲の天使、怒りの天使」「風呂」が好きです。
ダンダン、超しびれましたね。(しびれすぎて『僕の恋、僕の傘』にいった)どこまでも続く荒野、行き場のない僕らとやり場のない思い。クライストは来たけれど、やっぱり僕らは救われなかった。 ともかく悲しい話です。そしてラストの一行に「うーん」
感心、というのでもないですが、訳がすごいなあと思いました。基本的に一人称「俺」の方が物語にしっくりくるかなと思いますが(柴田訳では「俺」で、すんなり読めたし)、村上訳では「僕」。そしてラスト一行のこの口調(イノセンスということなんだろうな) 短いながらもぐっさり切り込んでくる話です。
ティモシーの誕生日、こちらも薄暗い話です。変にハッピーハッピーな話より、こういう話の方が私にとって真実味がある、と思います。だから何度も読んでしまう。しかし暗いよなあ。
慈悲の天使、怒りの天使、でもたまにはこういうのもいいですよね。嘘ばかりつく孤独な老女、こんな風にはなりたくないけど、みんなこんな風になっていくんですよ、きっと。
皮膚のない皇帝は単純に面白いなあという感じです。
