2006-06-12

Sudden Fiction 2 超短編小説・世界篇

 ダントツは「最近のある日」ガブリエル・ガルシア=マルケス(コロンビア)と 「一九八三年八月二十五日」ホルヘ・ルイス・ボルヘス(アルゼンチン)です。 ありきたりですみません。でも心底すげえと思ったよ。この二人の本は絶対読もうと思ってます。

最近のある日
 短い話なのにナニ?この雰囲気、村長の感じている虫歯の冷たい痛み、淡々とひどい苦痛をともなって抜かれる歯、むしろ優しさをこめて語りかけられる言葉「私たちの仲間を二十人死なせた報いだね」 しびれました。ママ・グランデの葬儀、買って読みます。(百年の孤独はやっと読み終えましたので)
 たぶん近い時期に自分が親知らずを抜いたことも関係してると思うけど。笑。この話のおかげで超怖かったわ。

一九八三年八月二十五日
 言うことなし、ただただ圧倒されました。幻獣辞典(だっけ?)が欲しいのですが、高ーい!(余談ですが最近読みたいと思うものが高い本ばかりで困っています。パトリック・ホワイトの『ヴォス』とかも読みたいのに、上下巻で文庫が出てないなんてあんまりです←ノーベル文学賞にヨワイあほ)

その他よかったと思うもの。
○「右翼主の死」 スチュアート・ダイベック(米)
○「ブラックベリー」 レズリー・ノリス(ウェールズ)
 「娘」 ジャメイカ・キンケイド(アンティグア)
  「狐の棲む穴」 マーク・ヘンプソン(米)
○「じゃあね、あなたのたった一人の母親より」 デイヴィッド・マイケル・キャプラン(米)
○「笑い屋」 ハインリヒ・ベル(独)
○「監査役会へようこそ」 ペーター・ハントケ(オーストリア)
○「サンフランシスコの天候」 リチャード・ブローティガン(米)
  「ブルー」 デイヴィッド・ブルックス(豪)
○「準備」 ケネス・バーナード(米)
○「川で」 パトリシア・グレース(ニュージーランド/マオリ)
  「グレゴリー」 パノス・イオアニデス(キプロス)
  「小川のほとりで」 バリー・ユアグロー(南アフリカ/米)
  「なくした鍵」 ポール・ミレンスキー(米)
  「「殺す」という動詞」 ルイサ・バレンスエラ(アルゼンチン)
  「傘で私の頭を叩くのが習慣の男がいる」 フェルナンド・ソレンティーノ(アルゼンチン)
  「ファミリーアルバム」 シヴ・シーデリング(スウェーデン/米)
  「著名なマイム師、最後の日々」 ピーター・ケアリー(豪)
  「靴ならし」 ダニエル・ブーランジェ(仏)

 とは言うものの、結構落としました。半分に絞るのも大変でしたね。これを入れるならこっちもだろ、と思うものも多かったのですが(たとえばブラックベリーを入れるなら黒犬は?とか小川のほとりでと逮捕してくれはどっちだ?とか)とりあえずは。特に良かったと思うものに丸を付けてみました。
 なぜか米国の物が多いですね。(編集段階で多いから仕方ないのだけど)あと南米つよしですね。ドイツ系(オーストリア含む)が好きなのは知ってたけど、ちょっと笑った。「川で」に軍配を上げるのは反則というか編集者の意図に乗せられてる感がしてちょっとむかつくのですが、でもいいと思ったので仕方ないです。
 一般的に評価が高いらしい(無知ですみません)イタロ・カルヴィーノ、イサーク・バーベリ、コレット、フリオ・コルタサルが入っていないのが気になりますが、ここに載っている短編に関してはあんまり...ということです。(川端は元から苦手なのだ)イサク・バーベリはもうちょっと読んでみたいなあと思っています。

 『Sudden Fiction 長短編小説70』よりは断然ヒット率が高いのでまだの方は是非読まれるといいです。読書の至福です。